スレート屋根の塗装

スレート屋根; 塗料で重要なことは下地処理、下塗り塗装

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スレート屋根の塗装では、下地処理、下地調整、下塗り塗料が重要

いくら高価なフッ素樹脂塗装とか、無機塗装などを使っても、下地の状態が良くないと、塗料は上手くのりませんし、耐用年数はおろか、数ヶ月とか1年、2年で剥がれたり、割れたりします。

言われている耐用年数以上もたせようと思ったら、下地の調整、修理、下塗り塗料は非常に重要になります。スレート屋根の場合は、主にシーラーという種類の塗料を使用します。
(スレート屋根の場合は、塗装できない程劣化していたら、そのスレートを交換、修理です。)

下塗り塗料であるシーラーには、種類が 3つあります。

下記、塗装、塗料は化学の最先端の製品ですので、ちょっと深く調べると、学問的で難しい名前が出てきます。

スレート屋根の下塗り塗装には主にこのシーラーが使われます。

シーラーは、上塗り塗料と塗装する対象物とが良く接着、密着し、塗料の剥がれ、ヒビ、膨れ、破壊などを回避するするように工夫された塗料です。

このような塗装でのいろいろなトラブルを防いでくれます。(下塗りには、フィラー、サフェイサーなどもありますが、別の機会に)

シーラー; 3種:
■溶剤系反応硬化型(2液反応硬化型): 2液形の エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂

■熱可塑性合成樹脂系溶液系シーラー : 簡単に、塩化ビニル樹脂系シーラー

■合成樹脂エマルジョン形シーラー:

 

なんで、これら下塗り塗料が重要か?です。知って欲しい機能・役割です。

スレート材の成分は、鉱物繊維とセメントを圧縮してできています。

目には見えませんが、ミクロ的には穴だらけです。液体等水分は、簡単に入り込み吸水が大きい材料です。塗装からすると、塗料を沢山吸い込んでしまい接着・密着しない脆弱な材料です。

シーラーは、粘性の小さい、粒子、分子の小さい塗料で、目の粗い繊維構造の中を奥まで浸透し、強固に固まる塗料で、スレート材料の穴ぼこを塞ぎ、スレートの表面を均一にして上塗り塗料と密着し易い表面状態を作りだします。

スレート屋根に対して最適なのが、2液形のエポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂系シーラーです。

ウレタン塗料、シリコン塗料、フッ素樹脂塗料等の上塗り塗料は、その性質上密着や付着する機能は弱く、そのままスレート材料に塗っても、耐用年数どころか1年、2年で剥がれてしまいます。塗料がくっつくということは、学問的に説明が難しく、実は学説がいくつもあるくらいです。なぜくっついているのか? 実は明白には分かっていないのです。

スレート材多孔質の写真

イメージ:
多孔質の材料、ALCの電子顕微鏡 写真、表面から穴が多数ある。スレート材はこんなに穴が多くなくもっと緻密ですが、水分は中へ吸いこまれていきます。

スレート屋根のスレート材料、下塗り塗料、上塗りの関係をマンガ化したものが下図になります。スレート材料は、水を含みやすい穴が多数ある繊維質を含み、上塗り塗料をそのまま塗布しても、スレート材料の中に入り込み、塗膜を上手く形成できません。

また塗料の性質上、接着性・密着性が 劣るので、短期間で剥がれ易いのです。 これをスレート屋根に接着、密着させる為に、下塗り材を施工しスレートの中に浸透させ、硬化させることで、正に「くさび」の役割をします。

塗装の断面図

イメージ:
スレート材料の多孔質の中を粘性の小さい下塗塗料が浸透していき下塗塗料の接着性が上塗り塗料
との接着性、密着性を確保し、上塗り塗料が安定してスレート屋根に接着する。下塗り塗料の浸透が
不十分な場合は、2回塗布する。

なので、下塗りがスレート材料から剥がれないようになります。そして優れた接着性で上塗り塗料と接着し、上塗りの塗面を安定させます。下塗り塗料は、上塗り塗料とスレート材料との接合に非常に効果的に働きます。上塗り塗料を長期間(5年とか10年とか)長持ちさせる、とても重要な塗料なのです。

下図の様な接着システムにより、塗料はスレート屋根にしっかりと接着するのです。またスレート表面が汚れていたら、このように綺麗に接着はしません。なので、スレート材料の表面を綺麗にすることと、下塗り塗料を正しいものを正しく塗布することが非常に重要なのです。

〇 スレート屋根にとって:

この様な正しい下塗り塗料、この接着性、密着性、スレート材料と上塗り塗料との相性、特性の良いものは、2液反応硬化型、2液形のエポキシ樹脂、2液形のポリウレタン樹脂系のシーラーです。
スレート屋根の下塗り塗料に、「浸透シーラー」の名前がるのは、上記の理由です。大変参考になる、良くわかるカタログがニッペのスレート屋根の塗装用カタログにありましたのであげておきます。 ニッペの塗料が良いと言いたいのではなく、スレート屋根の塗装システムが、下塗り塗料と仕上げ塗料、上塗り塗料との関係が良くわかるカタログです。スレート屋根に推奨されているシーラーの殆どが、エポキシ樹脂のものです。カタログの抜粋参照。

・ ファイン浸透造膜シーラー: ターペン可溶 2液形、浸透造膜エポキシ樹脂シーラー

・ シリコンベスト強化シーラー: 1液反応硬化形エポキシ樹脂シーラー

・ ファインパーフェクトシーラー: 液高付着浸透形・ハイブリッドエポキシシーラー

・ ファイン浸透シーラー: 透明・ホワイト: ターペン可溶2 液形、エポキシ樹脂シーラー

・ 1 液ベストシーラー: ターペン可溶1 液反応硬化形、特殊アクリル樹脂下塗り材

各シーラーの説明がついていますが、それらは、スレート材料の表面を上塗り塗料が密着しやすいように調整したり、スレート材料の中に正に「浸透」して、スレート材の穴を埋めて平滑化をしたり、スレートに「くさび」を入れて固定し、上塗り塗料との接着性を発揮して塗料をシステムとして強固なものにしています。このように下塗り塗料であるシーラーは重要です。

お客様は、仕上げ塗装、上塗り塗装を考えますが、塗装屋からすると、まずスレート屋根の状態を考察し、下塗り塗料を選びます。上塗り塗料は商売上、売上金額に影響しますので重要ですが、今のスレート材料の劣化度によっては選んだ上塗り塗料が適合する良い下塗り塗料がなく、不適切の場合もあり、選択を変えなければならないこともあります。

価格と性能の競合です。または屋根屋による価格差も営業上あります。 しかし、技術的にはこんなことがあるということも・・・難しいかもしれませんが、知ってください。

屋根のことも考え、その塗料は良い塗料ですが、今の屋根の状態では、こっちの方がよいのでは?とアドバイスする塗装屋と、耐用年数が長いフッ素が良いですね、と屋根のことを考慮しない塗装屋とどっちが良い塗装屋か?を考えて、塗装屋も選んでください。勿論屋根工事お助け隊では、屋根のことを良くわかった塗装屋さんがおりますので、安心して依頼してください。

塗装屋として知らないと恥な;スレート屋根塗装の技

塗装屋さんは全て知っていることと思っていましたがそうでもないようです。知らない塗装屋さんは避けてください。

それは、スレート屋根の塗装でやる「縁切り」です。スレートを塗装する前にスレート材料の間にタスペーサーを挿入する方法と、塗料がある程度乾燥した後で、重なったスレート材料のところの塗料を僅かに剥がす方法(スレートを分離する)があります。

タスペーサーを入れるとき劣化したスレートだと割れる事故があるので、タスペーサーをやらず、後で分離する方法をやる塗装屋もいます。問題はその先で、縁切りをやらないと最悪雨漏りになります。「塗装を2年前にしてもらったら、雨漏りになった、何故か?」という相談もあります。縁切りをしないと雨漏りになることは広く知られていますが、何故雨漏りになるのか?水が滞留するから・・・半分正解で不十分です。

スレート材の施工断面

スレート屋根の簡単なマンガです。寸法等は勘弁してもらって、わかりやすく書きました。水色が雨水です。 横殴りの雨や台風などがあったときは、隙間から雨水が侵入したとき、スレートの間から排出します。

スレート屋根は、雨水を排出するようになっています。塗装でこの隙間を埋めてしまうと・・・
緑の部分が、塗料です。ここを埋めてしまうと、排出しようとした雨水が、そこに滞留します。

ここに、ちょうどスレートを固定している釘があります。通常より長く雨水にさらされると、錆びが早く増大、成長します。この釘穴が大きくなるか、この穴の周辺のルーフィングの穴が大きくなり、やがて滞留した水が下地へと漏れだします。これが雨漏りです。ルーフィングの劣化により雨漏りは発生しますが、この状況では遥かに早く雨漏りが始まっても不思議ではありません。

スレート屋根を塗装すると、雨漏りになる原因、理由です。 なので、スレート屋根を塗装する場合は、水の排水機能をなくさないように、塗装に気を使わなくてはならないのです。これは特殊な「技」ではなく、スレート屋根の塗装では常識になっています。 知らない塗装屋さんに依頼しないように!

 

以上です。

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